Interdisciplinary Perspectives (IP)
本IP領域では、深刻化する環境問題や貧困などサステイナビリティ課題の構造と本質を捉え、既存の技術・政策の到達点と限界を踏まえ残された課題を見極め、解決策を探究します。観測・データ科学、工学、生態学、法・経済・政治学、行動科学を統合し、学際的視点で持続可能な未来の実現をめざします。
人類は、地球上のさまざまな資源や環境―自然の恵み―に支えられて、ゆたかな文明を築いてきました。しかし、過剰な資源利用や利用後の物質の排出により、人間が自然に与える負荷は地球の容量を超えています。また、すべての人間が経済成長の恩恵を受けられているわけではなく、人権侵害や貧困などの社会問題も残っています。
持続可能性(サステイナビリティ)は、環境、社会、経済の3要素で構成されます。上記のとおりの現状において、私たちは今日でもまだサステイナブルではない発展を続けていることになります。
本IP領域は、サステイナブルな世界を構築するために、社会をデザインできる人材を育成することが目的です。そのためには、現状にある問題の本質を捉え、解決に向けてすでに導入されている制度や政策、技術を把握し、それでもなお解決できていない原因となっている課題を見出し、この課題を克服するための手段を提示する、という一連のプロセスを理解する必要があります。また、このプロセスを学問として分析するための手法を学ぶことになります。
全講義の中で、「サステイナビリティ学の基礎」は、本IP領域の全体像を理解する上で基礎となる科目です。その他の科目の多くは、環境問題の種類ごとに、問題の現状から原因、政策や課題まで学べるようになっています。気候変動や生物多様性は知られていますが、プラスチックや水銀、希少生物種保護など、現在進行形で国際協調が模索されている環境問題が数多くあります。また、これらの問題は、工業や農業、エネルギー利用など、人間の経済活動が原因として生じることから、社会と環境問題との関連性を理解することが重要となります。また、途上国における貧困や人権侵害と環境保全や経済発展との両立も学ぶべき対象です。さらには、解決に向けた意思決定におけるガバナンスに焦点があてられた科目もあります。これらの科目の中から複数選択することで、自分が関心をもつ課題の最新の知識を身に付けてほしいと考えています。
亀山 康子 Yasuko Kameyama
IP領域主査(Environment & Sustainability)
東京大学大学院新領域創成科学研究科 教授
亀山 康子 Yasuko Kameyama
東京大学大学院新領域創成科学研究科 教授
Isabelle Giraudou
東京大学大学院総合文化研究科 教授
成田 大樹
東京大学大学院総合文化研究科 教授
山本 光夫
東京大学大学院農学生命科学研究科 教授
佐藤 赳
東京大学大学院農学生命科学研究科 准教授
白鳥 佐紀子
国立研究開発法人国際農林水産業研究センター 情報広報室 プロジェクトリーダー
東京大学大学院農学生命科学研究科 准教授
石原 広恵
東京大学大学院新領域創成科学研究科 准教授
張 潤森
東京大学大学院新領域創成科学研究科 准教授
マエムラ・オリバー・ユウ
東京大学大学院新領域創成科学研究科 講師
佐藤 仁
東京大学東洋文化研究所 教授
新里 宙也
東京大学大気海洋研究所 准教授
杉山 正和
東京大学先端科学技術研究センター 所長・教授
醍醐 市朗
東京大学先端科学技術研究センター 教授
小坂 優
東京大学先端科学技術研究センター 准教授
※ 教員の所属・役職は2025年12月26日時点のものです。
※ 各授業の担当教員等に関する情報は確定次第掲載します。
カリキュラムは、学生が幅広い学術的な知識を身につけ、デザインによる創造の幅を広げられるように、様々な形の授業を組み合わせて構成されています。主要な科目群は、 Interdisciplinary Foundations (IF)、 Interdisciplinary Perspectives (IP)、 Change Maker Design Projects、 8 Track Design Series、 Off-campus experiences (internships)、 Viewpoint Series、 Capstone Projects (Group/Solo) などです。
カリキュラムの全体像については、Program ページをご参照ください。