Interdisciplinary Perspectives (IP)
本IP領域では、複雑化・国際化する健康課題に対し、生命科学・医学・公衆衛生を基盤に、行動科学・社会学・都市デザイン等の多様な分野の知を統合して探究します。細胞や身体などのミクロから医療システム・社会・都市のマクロまで、科学的理解と実践を往還し、健康で持続可能な社会の創出をめざします。
現代社会は、パンデミック、気候変動、経済格差などの地球規模の危機に加え、超高齢化や医療資源の偏在、メンタルヘルスの悪化など、生命と社会の両面に関わる複雑な課題に直面しています。人の移動や情報の伝達が国境を越えて加速するなかで、健康とウェルビーイングは、もはや個人や医療の問題にとどまらず、社会全体の持続可能性や人類の共生を左右する重要なテーマとなっています。
このIP領域「ヘルスケアとウェルビーイング」では、こうした時代的要請に応えるために、生命科学・医学・公衆衛生学を基盤としつつ、薬学、生体医工学、行動科学、スポーツ科学、情報工学、社会学、都市デザインなど、多様な分野の知を横断的に統合し、デザイン思考を通じて、人間の健康とウェルビーイングのあり方を多層的に探究し、科学・社会の接点における新しい価値創造をめざします。
学びの対象は、細胞や臓器の機能といったミクロな生命現象から、医療制度、地域社会、都市空間、さらには地球環境に至るマクロな構造まで幅広く扱います。学生は、健康を支える仕組みを科学的・社会的視点から理解し、人間の行動、生活環境、社会構造の相互作用を立体的に捉える力を養います。また、多様な価値観を理解し、国際的な視野から健康やウェルビーイングのあり方を考察することを重視します。
本IP領域の学びは、知識の吸収にとどまりません。学生自らが課題を発見し、異なる分野の知を結びつけて新たな解決策を構想する創造的姿勢を育むことを目的としています。科学的根拠に基づいた分析力、他者と協働して課題に取り組む実践力、そして社会に実装可能な解決をデザインする力を身につけることで、現実社会の複雑な問題に挑む能力を培います。
「健康とは何か」「ウェルビーイングとはどのような状態か」という根源的な問いに向き合いながら、学生は、人間と社会、科学・技術の関係を再考し、よりよい未来の形を構想していきます。本IP領域は、分析力・思考力・創造力を総合的に磨き、学際的な対話と協働を通じて、健康で持続可能な社会の実現に貢献する新しい知の担い手を育成することを目指しています。
江頭 正人 Masato Eto
IP領域主査(Healthcare & Well-being)
東京大学大学院医学系研究科 教授
江頭 正人 Masato Eto
東京大学大学院医学系研究科 教授
村山 顕人
東京大学大学院工学系研究科 教授
樋野 公宏
東京大学大学院工学系研究科 准教授
矢谷 浩司
東京大学大学院工学系研究科 准教授
斎藤 英子
東京大学大学院新領域創成科学研究科 准教授
※ 教員の所属・役職は2025年12月26日時点のものです。
※ 各授業の担当教員等に関する情報は確定次第掲載します。
カリキュラムは、学生が幅広い学術的な知識を身につけ、デザインによる創造の幅を広げられるように、様々な形の授業を組み合わせて構成されています。主要な科目群は、 Interdisciplinary Foundations (IF)、 Interdisciplinary Perspectives (IP)、 Change Maker Design Projects、 8 Track Design Series、 Off-campus experiences (internships)、 Viewpoint Series、 Capstone Projects (Group/Solo) などです。
カリキュラムの全体像については、Program ページをご参照ください。